こんにちは せしろです。
3Dプリンターを調整している中で、よく分からないところがあります。それが、「ノズルとプラットフォームの距離」です。
JGAuroraのマニュアルには「A4用紙1枚分」の隙間にするとありますが、A4用紙と言っても様々です。一般コピー用紙は約0.9mmですし、名刺などに使う紙などは約0.19mmと約倍くらいの厚みになります。これだけの厚みの差があるのですから、使う用紙によっては全く違った印刷結果となるのではないかと考えたわけです。
ということで、テストしてみました。
テスト条件は?
1.直径30.1mm 内径26.1mm 高さ2mmのリングを印刷
2. 材料:PLA
3.Curaの設定は次の通りとします
(1)レイヤー高さ:0.1mm
(2)初期レイヤー高さ:0.3mm
(3)ビルドプレート:スカート
(4)その他:デフォルト値
4.ノズルとプラットフォームの距離は次の通りとします
(1)0.05mm
(2)0.07mm
(3)0.09mm
(4)0.11mm
(5)0.13mm
(6)0.15mm
(7)0.20mm
(8)0.30mm
評価基準は?
ノズルとプラットフォームの距離を変えた際の造形物の寸法を計測します。
計測箇所は次の通りとします
(1)直径(最下層、最上層)
(2)内径(最下層、最上層)
(3)高さ
(4)厚み(最下層、最上層)
設計通りの寸法になっているか?最下層(一層目)の密着性はどうか?の二つで評価することにします。
テストしてみる
条件と評価基準が決まれば、あとはとにかく印刷するのみです。頑張って印刷していきます。
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結果
ノズル距離 | 直径 | 内径 | 高さ | 厚み | 密着性 | |||
最下層 | 最上層 | 最下層 | 最上層 | 最下層 | 最上層 | |||
0.05 | 30.38 | 30.30 | 25.70 | 26.16 | 1.84 | 2.55 | 2.07 | 優 |
0.07 | 30.74 | 30.30 | 25.82 | 26.12 | 1.90 | 2.46 | 2.09 | 優 |
0.09 | 30.66 | 30.30 | 25.90 | 26.18 | 1.90 | 2.38 | 2.06 | 優 |
0.11 | 30.40 | 30.20 | 25.96 | 26.08 | 2.00 | 2.22 | 2.06 | 優 |
0.13 | 30.34 | 30.30 | 26.00 | 26.08 | 2.00 | 2.17 | 2.11 | 優 |
0.15 | 30.30 | 30.30 | 26.10 | 26.10 | 2.00 | 2.10 | 2.10 | 良 |
0.20 | 30.20 | 30.34 | 26.38 | 25.60 | 2.10 | 1.91 | 2.37 | 可 |
0.30 | 30.10 | 30.10 | 26.10 | 26.10 | 2.36 | 2.00 | 2.00 | 不可 |
単位:mm
0.05mmから0.09mmは一層目の押し付けが強く、密着性はとても良いのですが最下層が広がってしまい、高さが設計通りの高さまで行きませんでした。0.11mmから0.15mmはほぼ設計通りの寸法で印刷できています。一層目の密着性も問題ありません。0.20mmは一層目が小さくなっています。これはおそらく押し付けが足りていないのでしょう。一層目密着性もあまり良くありませんでした。PLAなら大丈夫でしょうが、ABSだと反りにより剥がれてしまうと思います。0.30mmは一層目が密着せずPLAでも大きな造形物ははがれてしまうと思いました。
で、この結果から適正距離は「0.1mmから0.15mm」程度であろうことが分かりました。マニュアルにあるA4用紙一枚程度というのも頷けます。
コピー用紙でやろうとすると、どうしても隙間は大きめになります。なぜなら、シックネスゲージと同じようにやろうとすると紙が引っ掛かったように感じますので、少し余裕を持たせたくなるからです。コピー用紙が大体0.09mmなのでそれより少し大きい範囲であれば、スライサーソフトの設定にもよりますが、安定して印刷ができると思います。
結論
こだわらなければA4用紙を使用したレベリングでいける!※管理人個人の結論です。
まあこれからもシックネスゲージで調整しますが・・・。
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