こんにちは せしろです。
前回ABSで印刷した造形物は、許容範囲内であるもののかなり反ってしまいました。このままでは意図した作品が作れるわけがありません。
ということで、今回は造形物の反り対策についてお話したいと思います。
どうして反ってしまうのか?
これは3Dプリンターに限った話ではなく、樹脂の成型全般に言える話となります。
樹脂素材ですが、硬化する際にどうしても「収縮」が起こります。なので樹脂成型を生業にしている企業などは、この収縮を考慮して樹脂製品を製造しています。
例えば、ある樹脂素材を使用し1000mmのものを成型したら出来上がりは990mmだったとします。この収縮する度合いを「成型収縮率」と言います。このケースだと、成型収縮率は1%ということになります。
この成型収縮率は素材ごとに違い、3Dプリンターで良く使用する素材では次の様になります。
<成型収縮率>
ABS:0.4~0.9%
PLA:0.1~0.5%
数値的に見てもABS樹脂が反りやすいと言ことが分かります。PLA樹脂も、もちろん収縮しますので注意が必要です。
3Dプリンターではどのように反りが起こってるの?
個人用3Dプリンターの多くは、FDM方式となっています。(熱可塑性樹脂のフィラメントを高温で溶かし、押出して立体形状を作成する方式)
機種によってはヒートベッド機能があり、温めることにより急激に冷えることを抑え、プラットフォームに積層されている造形物をはがれにくくしています。
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しかし、高く積層されてくるとヒートベッドの熱が伝わらず、ノズルから押し出された樹脂は、急激に室温に戻ってしまいます。そのときに大きな収縮が起こり、その収縮の力に負けて、プラットフォームから造形物がはがれてしまいます。
どう対策するか?
はがれてしまうおおよその原因を掴んだところで次は対策について考えましたが、結局のところ、一層目がプラットフォームにしっかり定着していなければ話にならないという結論に至りました。
まず考えなくてはならないのは、ノズルとプラットフォームの位置関係になります。印刷前にプラットフォームのレベリングを行いますが、ここを適当に調整すると必ず失敗してしまいます。
例えば、プラットフォームが傾いているとプラットフォームにきちんと定着していない部分が出来てしまいます。造形物の反りでこの部分からはがれてしまいます。
対策は次の様になります。
1.プラットフォームと造形物の接着力を上げる
2.確実なベッドレベリング
これらが確実にできるように、本体の改造を含め検討していきたいと思います。
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コメント
[…] こちらの記事にも書きましたが、まずはプラットフォームに一層目が定着しないことには始まらないという結論に至った訳です。 […]