こんにちは、せしろです。
カスタムファームウェアにアップデートすることで、A3SのGUIが元に戻ってホッとしています。今回はカスタムファームウェアで追加された機能についてお話とメッシュベッドレベリングをしてのプリントをしてみたいと思います。
カスタムファームウェアで追加された機能
「HOME」にモーターOFFボタン追加
今まで原点に戻した後、手で移動させようとするときは電源を一旦切ってから行っていました。「M-OFF」が追加されたことで、電源を切らずに済むようになりました。
メッシュベッドレベリング追加
私がいまやりたいことが今回のファームウェア更新で出来るようになりました。「MORE」からメッシュベッドレベリングの操作が出来るようになりました。
メッシュベッドレベリングをしてみた
メッシュベッドレベリング その前に
このメッシュベッドレベリングですが、歪みのあるプラットフォームに対し補正を掛けます。また、平坦だと思っているプラットフォームでも、わずかな歪みがあると私は考えています。
あと、プラットフォームの調整ばねをきつく締めてしまうとY軸移動プレートに歪みが生じてしまいます。(これはJGAuroraの構造上仕方がないことだと思います。)この歪みにより、プラットフォーム四隅のばねの締め方が変わってしまい、さらにきつく締めないと水平にならないという悪循環に陥ります。それだけでなく、プラットフォームも大きく歪む原因となってしまいます。
調整ばねは、ほんの少し効いた状態(Y軸が高速で動いてもプラットフォームがガタつかない程度)であることが望ましいと私は思っています。ただ、この状態だとプラットフォームは高い位置になり、Z軸を原点に戻した時にノズルがプラットフォームを押し込んでしまうという状況が私のA3Sでありました。
メッシュベッドレベリングをするにしてもしないにしても、レベリングに関しては、
- プラットフォーム調整ばねは締めすぎないようにする。
- Z軸の原点はプラットフォーム高さに合わせて調整する。
この2点が大事だと私は思っています。
Z軸の原点位置を調整して、プラットフォームがノズルに軽く接触する位置に調整しています。(四隅全て)
メッシュベッドレベリングをしてみる
それでは実際にやってみたいと思います。ここも「The Unofficial JGAURORA wiki」の手順でやっていきたいと思います。
「MORE」メニューから「Mesh」を実行
「Mesh」ボタンを押すと原点位置に戻り、自動的に最初のポイントに移動します。
「MeshUP」「MeshDown」で隙間を調整
シックネスゲージ(コピー用紙でも可)でを使用し、「MeshUP」、「MeshDown」ボタンでノズルとプラットフォームの隙間を調整します。1回押すと0.025mm移動します。
「NextPoint」で次のポイントに移動
次のポイントに移動したら、同じように隙間を調整します。全てのポイントのレベリングが終わるまで繰り返します。最後のポイントが完了したら自動的に原点位置に移動します。
「Save」ボタンでEEPROMに保存
「Save」ボタンでメッシュ情報をEEPROMに保存します。保存をしないと電源を切った際に情報が失われてしまいます。EEPROMに保存されたかどうかを確認するには、ArduinoIDEのシリアルモニターで「G29」コードを送信します。
G-Codeを追加
「M420 S1」をスタートG-codeに追加します。以前にも記事にしましたが、現在のグリッド/メッシュを有効にするというコードで、これを追加しないと動作しません。
ということで私のスタート/ストップG-Codeは次のようになりました。
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; -- START GCODE --
G21 ;G-Codeパラメータ単位をmmに設定
G90 ;G-Codeで指定された座標を絶対位置として扱う
M106 S0 ;ファンの速度を"0"(停止)にする
G28 ;全ての軸を原点(リミット位置)に戻す
G92 E0 ;フィラメントの押出しを"0"にする
M420 S1 ;メッシュベッドレベリングで取得したメッシュを有効にします。
G1 X60.0 E9.0 F1000.0 ;始めX方向に移動(60mm位置まで)しながらフィラメントを9mm押出す。(頭出し)
G1 X100.0 E21.5 F1000.0 ;X方向に移動(100mm位置まで)しながらフィラメントを21.5mm押出す。
G92 E0 ;フィラメントの押出しを"0"にする
; -- end of START GCODE --
; -- END GCODE --
M104 S0 ;ノズルヒーターを停止する
M140 S0 ;ベッドヒーターを停止する
G91 ;G-Codeで指定された座標を相対位置として扱う
G1 E-10 F300 ;フィラメントを10mm引き戻す
G1 Z20 F1000 ;少し上に移動する(1000mm/minで20mm持ち上げる)
G90 ;G-Codeで指定された座標を絶対位置として扱う
G28 X0 ;X軸を原点に戻す
G0 Y200 F600 ;ベッドを200mm前に出す
M84 ;ステッピングモーターを停止
; -- end of END GCODE --
Curaでの初期設定に少し変更を加えた形にしました。2回目の頭出しも復活させました。
プリントしてみる
テストプリントに用意したオブジェクト
テストプリントにはこちらのオブジェクトを使用しました。高さ30mm幅22.5mm奥行7mmくらいの小さなオブジェクトです。3DBenchyの窓部分だけを切り取ったようなオブジェクトです。
選んだ理由としては、以下が挙げられます。
- 柱のプリントの際、1層目の定着が弱いとノズルの接触で造形物がプラットフォームから剥がれやすい。
- 2層目以降のエクストルーダの吐出量が少ないとノズルの接触で柱を折ォームから剥がす際に折れてしまう
- プリントの柱から柱への移動で、フィラメントの引き戻しが甘いと糸引きが多くなる
要はきちんと設定がされてないと最後まで印刷しづらいからってことです。3DBenchyでもよかったのですが、時間がかかるのでこちらにしています。
Curaの設定
この設定で試してみます。今回フィラメントはPLAを使用。デフォルトの設定にZホップを有効を追加しただけです。
特に気にしているのは以下となります。
- 印刷温度とビルドプレート温度
- フロー
- 引き戻し量
です。
JGAuroraのファームウェアでは、温度が合ってなかった為にCuraで高めに温度設定をせざるを得ませんでした。フローについても同様で、吐出量が足りていなかったので以前はフローも高く設定していました。
今回入れたカスタムファームウェアでこれらが改善されているはずなので、本来の設定値にしています。
また、引き戻し量についても今回のプリントでどの程度引き戻せば糸引きが無くなるかを調べるためにあえて初期設定のままにしています。
結果は?
まずまずといったところでしょうか。
オーバーハング部分のダレが一か所に集まって飛び出しています。
糸引きも少し出てますね。
1層目の定着は十分だと思います。
ほぼデフォルトのCura設定で、最後まで印刷できてよかったです。ここまでくればCuraの印刷設定で品質を上げることが出来そうです。
まとめ
カスタムファームウェアに更新したことで、かなり調整しやすくなりました。テストプリントの結果はいまいちでしたが、フィラメントの特性に合わせた温度調整や送出し量の微調整だけで造形物の品質は上がりそうですね。
JGAuroraのカスタムファームウェアを入れて本当に良かったと思います。これでA3Sを私のメイン機に出来そうです。
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